34、これが最後なら*

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 雅煕が杏樹の中から引き抜いた指を舐める。その妖艶な表情に杏樹の羞恥心がさらに掻き立てられる。見ていられなくてギュッと目を閉じ、顔を背けた。  だから次の瞬間、敏感な花弁に熱い息を感じ、ぬるりと舐められて杏樹は悲鳴をあげた。 「きゃああ!……ああっ……やあっ……だめぇ……」  あまりの快感に脳が真っ白にスパークする。杏樹の脚の間で、雅煕の黒い頭が蠢き、ぴちゃぴちゃと獣が水を飲むような音が響く。まるで大きな獣に捕食されているような錯覚に陥り、同時に襲ってきた恐怖と快感に杏樹は混乱の極みに至る。 「やあっ、ああっ、あっ、やああっ、あ―――っ、あ―――っあ―――っ」  もはや声を抑えることも忘れ、すべてをかなぐり捨てて善がり狂う。淫靡な水音と自分の嬌声が杏樹の耳を犯し、もはや何もわからなくなる。四肢を硬直させて絶頂に身を震わせ、意識が白く焼き切れる。  ……はあ、はあっ……
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