34、これが最後なら*

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「うう……杏樹っ……うっ……くっ……」  急激に絶頂した杏樹の締め付けに耐えるため、雅煕が奥歯を噛みしめて天井を仰ぐ。ゴクリと、喉ぼとけが動いた。   「杏樹……君、()れただけでイってしまうなんて、どんだけ俺が好きなん……うっ……そんなに、締めたらっ……」 「はっ……ああっ……ちがっ……」 「こんなエロい身体で、他の男に抱かれるつもりなん?」     上から見下ろす雅煕の顔が、快楽と欲望と、そして嫉妬に歪んで、ギラギラした視線に灼かれそうになる。 「ちがっ……そん、な……」    ひどい言葉に杏樹が必死に首を振り、その目に涙が浮かぶ。雅煕がゆっくりとぎりぎりまで抜け出し、そして一気に突き立てる。水音と、肌のぶつかる音。ベッドが軋み、二人の熱い息が絡まりあう。激しく最奥を突かれ、杏樹の脳裏に白い閃光が走る。 「ひあああっ、それっ、だめぇっ」 「だめ、じゃないやろ、こんなに感じて……杏樹、俺が好きすぎやろ。ああ、もう、食いちぎられそう……なんやの、この、いやらしい……淫乱」 「ちがっ、あああっ……はっ……ああっあっ、あ――っ」
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