38、杏樹危機一髪

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 男の注意がスマホにそれた隙に、杏樹が草履を履いた足で男の脇腹を思いっきり蹴った。 「ウゲッ!……痛ぇ……この女! 可愛い顔して、ふざけんなよ!」   男が怒りに顔を染め、杏樹の、白足袋を履いた足首を掴む。   「とりあえず着たまま犯したるわ!」 「んんー!ん-!」  暴れる杏樹の脚を持って、着物の裾をはだけようとした時、ドアベルが鳴った。  リンゴーン! 「フロントでございますー! 先ほどのお詫びにワインのサービスでございますー!」
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