41、霜月の茶会

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 唇を尖らせるような表情で見上げれば、雅煕が微笑む。 「せやな。ゴミ文書の研究してたおかげで、パリで杏樹に逢えた。杏樹がいてくれるなら、茶室で正座するだけのお仕事でも俺は頑張るよ」  「ん、雅煕さんなら、世界で一番カッコイイ、茶室で正座する人になれると信じてる」 「……たぶん、世界に一人だけしかおらへんから、楽勝や」  雅煕がもう一度、杏樹に深く口づけた。
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