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「あ、杏樹! もう脱いでしもうたん? 残念、脱がせたかったのに……」
「振袖は着付けというよりは装備に近いから、雅煕さんには多分、無理よ……」
「……そっか……ほんなら、浴衣で我慢するか……」
ジロジロと杏樹を見つめてから、すっと自然に抱き寄せて頬にキスをする。
「雅煕さん、これからお風呂?」
「うん……後で俺の部屋に来て? 本しかないけど」
「ん……」
軽く口づけを交わしてから、雅煕が杏樹が畳んで手に持っている、和装用の下着に気づく。
「……えらいごっついの着てたんやな。普段と全然違わへん?」
「そうよ。寄せて上げるのと反対の、胸を潰すブラと脱がなくてもおトイレできるパンツだから」
「……脱がなくてもトイレできる……?」
興味津々で覗き込む雅煕に、杏樹はうっかり、和装用下着について講釈を垂れてしまった。
「ほら、こういう風にお股に切れ込みが入っていて――」
「マジで! 何それ、そんなん初めて聞いた! 世の中の着物着てる女の人、みんなそんなパンツ穿いてんの?」
目をギラギラさせ、興奮を露わにする雅煕に、杏樹はドン引きする。
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