5、お礼に処女をもらってください!

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「僕が思うに、は騙されただけやと思うで。一度、戻って話し合わへんくていいんか?」 「いいえ、もう、あり得ないです! 正直に言って、二度と顔も見たくないし。……そもそも、じゃありません! パスポート盗られてなかったら、まっすぐ空港にUターンして日本に帰ってたかもしれない」  「そこまで言う」  桜井が苦笑し、しばらく前方をじっと見つめて何か考えていた。 「せやったら、の部屋に帰ることはありえへん――」 「だからあんな奴、じゃないって!」  桜井がスマホを取り出し、地図を呼び出す。 「――ここが僕のホテルで、ここから割に近いところと言うと――」     杏樹のホテルを探しているのだと気づき、杏樹はハッとする。――そっか、あのホテルは満室だって言ってたから――  ふいに、杏樹は「彼女なら一緒に泊まればいい」と言ったらしい、レセプションの女性の意味深な微笑みを思い出す。  別のホテルに泊まったら、なんとなくだが、それで終わりの気がする。お金を借りて、住所を聞いて、帰国後にお金を返して―― 
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