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でも、そうじゃなくて、わたしはこの後も桜井さんと一緒にいたい。それに、桜井さんなら――
「あの――」
杏樹が桜井がスマホを持つ左腕に腕を絡め、下から見上げる。
「ん? どうしたん? っていうか、ちょっと、くっつき過ぎやない? その、あた、当たってるんやけど」
分厚いコート越しとはいえ、胸をぎゅうぎゅう押し付けられる形になった桜井が露骨に動揺する。
「桜井さんの部屋、泊めてください。――どうせ、別のホテル泊まるのに、お金借りないといけないし。桜井さんの部屋なら、タダでしょ?」
「そ、それはそうやけど――でも、それじゃあ――」
戸惑う桜井に、杏樹は上目遣いに見上げて、言い放った。
「そしてついでに、お礼と言ってはなんですけど、わたしの処女ももらってください!」
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