8、もう好きじゃない男

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「名刺もらったから。京都の大学で研究してる人みたい。フランス語もペラペラで、警察も、大使館も桜井さんが全部やってくれたの」 『まだ、お若い方なんでしょ?』   「二十八って言ってたかな……」     さすがに、桜井の部屋に転がり込んだとは言えず、祖母には曖昧にぼかして電話を切った。
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