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とにこやかに言い放って、わざとらしく杏樹の肩に手を添えて向きをかえ、その場を立ち去る。かなり遠ざかってから杏樹がそっと振り返れば、長野はまだその場で忌々し気にこちらを睨んでいた。
「いいんですか? あの人。先輩?」
「ええねん。……あの人、フランス語はもちろん、英語も中国語も喋られへんし、生来のコミュ障か知らんが、まともに人と交流できへんからって、ずっと俺に張り付いてくんの。あまりのウザさに温厚な俺の我慢も限界や!」
桜井が長い頸をコキコキ回しながら捨て鉢に言う。
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