11、やっぱり処女をもらってください!

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「ご、ごめん!」  それで我に返った二人は気まずそうに身体を離して、まずはコートを脱いで、クローゼットにしまう。桜井はスーツのジャケットも脱ぎ、鬱陶しそうにネクタイを外し、カフスボタンも外してサイドチェストの上に置き、眼鏡も外した。突如現れた醤油顔のイケメンに、杏樹の心臓がさらに跳ね上がる。 (やっぱり、眼鏡を外した時のイケメン度すごくない? というか、その眼鏡のデバフ効果が高すぎる!)  まさか、イケメンを隠すためにわざと眼鏡をしているのだろうか?  そんなことを考えながら、まじまじと見つめてしまう。 「……僕の顔になんかついてる? そんなジロジロ見られたら恥ずかしいやん」  「いえ、むしろ何もついてないから、見ているのですけど」  杏樹の答えにも桜井は首を傾げるだけだから、自分の素顔がイケメンである自覚がないのかもしれない。  桜井は杏樹の手を引いて、片方のベッドに並んで座る。   「あの……言っておくけど、僕も初めてなので……」 「じゃ、じゃあ、お互い頑張りましょう!」  杏樹の頓珍漢な返答も聞かず、桜井が杏樹を抱きしめる。
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