11、やっぱり処女をもらってください!

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「ごめん、何からしたらいいのか、わからん……まずこの時計外しとくな」      杏樹の腕から腕時計を外され、すっと腕が軽くなる。それをベッドサイドのチェストに置き、桜井はついでに、ポケットのスマホやユーロ札を取り出して置き、再び杏樹に向き合った。整った顔には不安そうな表情が浮かんでいる。 「ほんまに、僕なんかが処女もろてしもうてええん? もっとこう……世の中にはいい男がいっぱいいてるし、なにせこの歳まで童貞やから、おそらく下手くそやで?」   「そんなの、大丈夫です。……助けてくれたのもあるけど、桜井さんが、好き、だから……」  恥ずかしくなって俯き、上目遣いに言えば、桜井が一瞬、気の遠くなるような目をした。   「その顔でそんなこと言われたら……破壊力が高すぎるやろ……」 「え?」  桜井の大きな手が杏樹の頬を両手で覆って、おそろしく整った美貌が目の前に迫り、唇に唇が軽く触れる。杏樹の心臓が大きく跳ね、呼吸が止まる。十数秒、そのままでいたが、お互いほぼ同時に唇を離し、ぷはーっと息をついた。 「苦しっ」 「息でけへん!」  二人ともすーはー息を整えながら善後策を考える。  
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