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五章
翌朝、登校の支度をしている時だった。突然、玄関から来訪者を知らせるチャイムが鳴り響く。
こんな時間になんだろうと思いながら玄関モニターを確認。そこに映っていたのはスーツを身に纏った白髪男性、雫さんの使用人セバスさんだ。
慌てて玄関へ向かい扉を開ける。こちらの様子を見た後でセバスさんは丁寧なお辞儀をして「おはようございます、神代様」と挨拶をしてきた。年上に敬語を使われる経験が少ないせいで、僕は「え、あ、はい、おはよう、ございます」と言葉を詰まらせてしまう。
「あれ、僕、時間間違えましたか? 出発までまだ早いと思うのですが……」
「申し訳ありません。イレギュラーな出来事が発生致しまして……このような時間に参らせていただきました」
「イレギュラー……ですか?」
「詳しいお話はお嬢様からお話されるそうなので、どうぞ」
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