一章

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 真白生徒会長が歩き始める。それはまるでランウェイ、いや教師を後ろに引き連れてる姿は教授回診といった所か。  即座に彼女の両隣を男子生徒が確保する。長身眼鏡の神経質そうな男と、制服越しから見ても筋骨隆々なのが分かる大男。 「そういえば、生徒会長の隣にいつもあの二人が立ってるよね」 「ああ、真白親衛隊とか真白SPとか言われてる人達さ。右の西郷隆盛に似たのが三年の近衛(このえ)センパイ。柔道部主将で後のオリンピック選手と期待されている人だよ」  この学校では将来を有望視された生徒が多すぎるので、そういえばそんな人がいるという噂を聞いたなぁ程度の印象でしかない。 「左の常に手帳を確認してるのが二年の(きし)センパイ。生徒会長の推薦で書記に任命された人さ。学年トップの成績で、全国模試は十位内。有名な病院の息子なんだとか」 「そんな人より真白先輩は頭が良いって事?」 「あの人、試験は満点しか取った事ないらしいぞ」 「そんな人間がこの世にいるのが不思議……って、あれ? そういえば全国模試の順位で真白先輩の名前を見た記憶が……」
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