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「あーっ、いた! 和樹!」
突然、廊下から大きな声が飛び込んでくる。目線を向けると、こちらを指差す金髪ジャージ姿の女子生徒が立っていた。
「げっ、咲凛……!」
子供が粉薬を飲んだ後のような表情をしてみせる和樹。その場から逃げようとする所を、一瞬で間合いを詰めた彼女に捕まってしまう。恐ろしく速い行動、僕じゃなければ見逃している。
彼女の名前は、アディラ・咲凛・ビアトリクス。ドイツ人の父と日本人の母を持つ隣クラスの生徒だ。
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