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急いで自室からカバンを持って降り、自宅にしっかりと鍵をかけて黒の高級車へ乗り込む。後部座席奥には今日も美しい彼女が座っている。
「おはようございます、伊織くん」
「あ、おはようございます。何かお話があると聞きましたが……」
「ええ。セバス、車を出して」
「承知いたしました」
発進した後、雫さんは真剣な面持ちでこちらを見ながら告げた。
「先程、白桜高校敷地内にて遺体が発見されたという報告がありました」
「…………え? い、遺体?」
「校舎屋上から身投げしたものと思われます」
「身投げ……じ、自殺って事ですか?」
「亡くなった人物は白桜高校に通う一年生――
獅波和樹」
「………………えっ?」
僕は一瞬、雫さんが何を言っているのか理解出来なかった。
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