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急ブレーキをかけるつもりだったが、ままならず盛大に尻もちをついてしまった。その拍子に胸ポケットの小銭が床に散らばり、惨事となる。
「っててて……! す、すいませ……」
謝ろうと目線を上げ、僕は硬直した。なんと前に立っていた人物は――。
「……ままま、真白……先輩……!?」
動揺を隠せない僕の身体が、次の瞬間ふわりと浮かぶ。
「貴様ッ! どういうつもりだッ!」
真白親衛隊である近衛先輩が、丸太のような腕で僕の胸ぐらを掴み持ち上げている事に気付く。
――これはまた、とんでもない状況だ。
呑気なこと言ってないで、助けてくれ混沌! い、息が……苦し……!
――手を下すまでもない。来たぞ。
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