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「何やってんだ、オラ!」
突然、声が聞こえたと思いきや衝撃が走る。掴まれていた腕から開放され、ようやく呼吸が出来るようになった僕は咳込みながら状況把握に努めた。
そこにいたのは、先に食堂へ向かったはずの和樹。普段は見せない怒りの表情で、近衛先輩を睨みつけている。
――奴がデカブツの身体に蹴りを浴びせたのだ。
……必要ないと言ったのは、そういう意味か……!
「なんじゃ貴様ァ!」
「一年A組の獅波和樹……全国中学生サッカー大会のMVP、荒々しいプレイスタイルから【獅子王】と呼ばれている生徒です」
近衛先輩の問いに、間髪入れず答える岸先輩。
「サッカー……? フン、道理で……」
蹴られた腕をポンポンと叩いて見せる近衛先輩。ダメージなど無いというアピールか。
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