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「そこの生徒と同様に指導が必要のようじゃのぅ……!」
ポキポキと拳を鳴らして威圧する近衛先輩。恐怖ですくみ上がる僕と「あぁ? やんのかコラ」と睨み返す和樹。一瞬即発な空気を割いたのは――。
「近衛君、やめなさい」
透き通るような声。ずっと静観していた真白先輩が、ついに発言する。
「じゃ、じゃけど生徒会長! こいつは貴女とぶつかって……」
「当たっていません。直前で彼は私を避け、体勢を崩したのです」
そういうと真白先輩は倒れている僕に向かって手を差し伸べた。
「貴方、一年生よね? 名前は……」
「彼も獅波と同じ一年A組、神代伊織です」
この人、もしかして全校生徒の名前と詳細を覚えているのだろうか……?
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