一章
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僕は深呼吸をした後に息を止め、トンネルへ飛び込む。決して背後を振り返らないよう心掛け、全力疾走で突き進んでいく。 時間にして、およそ二分。出口から差し込む陽光の眩しさに目を細めつつ、ようやく呼吸を再開。心臓が早鐘のように動いていた。 ――最大の関門を突破したな。 心の中で親指を立ててみせ、軽快にペダルを回す。なんとか無遅刻無欠席を継続出来そうだ。
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