第1章 僕は僕で生きていく

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「すごい、全体的に器用なんだね、驚いたよ! 料理は僕も簡単なものは作れるよ? うちは共働きだから自然とやれるようになったんだけど。 でも、お菓子まで作れるってさ!簡単にできることじゃないでしょ? すごすぎる!」 「嬉しいっ、麻木先輩にそんなに褒めてもらえるなんて......幸せすぎ!」 「幸せなのはこっちだよ~。あ、でも編み物って けっこう手間暇かかるよね。無理はしないでね」 「先輩......優しいっ。先輩を好きになれてほんとに良かったです!」 「いやいやいやいや」  僕は頭が禿げそうな勢いで右手で髪を搔きむしって照れまくった。  あっ、こんな指では、それこそ手はつなげない。  やはり情けない。
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