Chapter.Ⅳ

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  「う~ん」  手にしていたカレースプーンを皿に置き、腕を組んで唸り始めた楓馬を見て苦笑いを零した誠は、サラダボウルと水を注いだコップしか載っていないトレイを片手に立ち上がると、 「とりあえず週末まで、まだ時間あるから」  と言って、イスを引っ込めた手を楓馬の肩にぽんっと置き、 「よく考えて決めて。 よく考えたけどダメそうだったら…これからオレがすることに、もう口出ししないでね」  と言って、立ち去るその後ろ姿を楓馬が目で追いかけているのを意識しつつ、社員食堂を後にしたのだった。 .
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