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「あの……」
「あぁ、私はこの山に住むものです。普段人には見えないと言いますか、あ、幽霊ではありません」
だろうな。
幽霊なら足が無いはずだ!多分!
それよりも、この山に住む?
「不思議ですか?」
「だって、地図にも山だらけで道は載ってないし、ここから先に行けるような道……なんて……」
男性が橋の方を見るのでそちらを見ると、透明っぽい虹色がかった橋が浮かんでいる。
その橋は少し弧を描くように鳥居の方まで延びており、また男性を見るとクスクスと笑っているように見える。
「行ってみますか?」
「行くって、あれは気温かなんかの変化でそう見えるだけじゃ……」
「そうですね。そろそろ暗くなってしまいますし、明日またここへ来てください。その時に続きをお話しましょう」
そう言って男性は透明の橋に乗り、すぅーっと吸い込まれていくように消えていった。
「嘘……だろ……」
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