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中へどうぞと言われ一歩中に入ると、外の崩れ落ちそうな外見と違い、普通の住宅の玄関のよう。
しかも、この小屋の広さでは無い!
「驚きました?」
「どうなってんだ?」
「では、元の中に戻しましょうか」
パチンと指の鳴る音がしたあと、今度は見た目相応の土間に竈。上がりには囲炉裏となっているが、入口の横には木でできた長椅子と机がひとつ置いてある。
「この上のハシゴを昇った所に布団が置いてあります」
「寝室ってこと?」
「ええ。でも、この形も落ち着いて好きなのですが、やはり君にはこっちのが合うような気がします」
またパチンと指が鳴り、次に目の前に見えたものはソファーにテーブル、テレビ等普通のリビング。
「とりあえず、お茶でもどうですか?」
「あ、はい」
もう驚くのを通り越し、これは夢なんじゃないかと頬を叩いてみるが、ちゃんと痛い。
「さぁ、座ってください。今日は君がどうして滝に来たのか聞かせて貰えませんか?散歩に来る方は展望台までしか来ませんし、私の姿も見えません。それに、木にも違和感を感じていたようですし」
確かに違和感は感じたが、何でそんなこと知ってるんだ?
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