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「川から少し離れているでしょう?ここが庵の場所で、もう少し川の手前に茶屋がありました。山を超える人達はここで休憩を取りまた山を下って行ったものです」
へぇー。と言いたいが、人がそんなに生きるわけが無い。
だが、こんな不思議なものを見せられれば人では無いと認めざるを得ないのも事実。
自分では意外と現実主義だと思ってたんだが、ここ数日ひっくり返されることばかりだ。
「村に神社があった頃にこのお守りを直接渡した人は、齋藤 弦真さんという方でした。とても優しい方で、その当時怪我をした私の手当をしてくれたお礼にと差し上げたものです」
「どのくらい前の人のことか分からないけど、真がつくってことは祖先なのかな?って、そんなに人が生きれるわけないし、いたとしてなんで知ってるんだよ!」
「だって私……真神ですし……」
まかみって名前じゃないのか?
紙に漢字で真神と書かれたのを見て、「神様?」とぼそっと言ってみたが、どう見ても神様には見えない。
顔立ちは整っているし、白い袴姿で髪も白いけど、歳の頃は多く見ても三十歳くらいに見える。
困っていると、「帰ったら機械で調べて見てください」と言われたので、紙を貰いポケットに仕舞う。
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