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でも、話の端々に祀られていたとか言っていたから、神様……なわけないか。とも思うが、不思議な現象を見ると信じてしまいそうにもなるなどと考えていたら、「うさぎは終わりました。次は野菜なのでもうこちらを向いても大丈夫ですよ」と言われ、背けていた顔を真神の方へ向ける。
「で、何作ってんの?」
「シチューにしようと思いまして。それと、他の部分は燻製と焼き料理にするのに切り分けて閉まっておきました」
「見る限り一人分じゃない気がするんだけど」
「今夜はお客様がいらっしゃるので、お出しするんですよ」
こんなところに客?
いや、何も突っ込まない方がいいような気がする。
「お守りのことはこの位で。それとですねぇ、せっかくお友達になれたので、毎日遊びに……」
「無理!」
ガクッと肩を落とす真神に、アルバイトを探していることと、学校も単位を落としたくないから一応勉強もしないといけないことを話すと、「アルバイトですか……なら、ここで働きましょう」と笑顔で言われる。
「いや、ここでって何してるところかも分からないし無理だろ」
「簡単に言いますと、ご予約の方にお料理を出すお店のようなことをしてます。と言えばわかりやすいでしょうか」
「誰が来るんだよこんな辺鄙なところに!」
「来るんですよ。お料理を楽しみに来る方もいらっしゃれば、ただ寛ぎに来られる方も見えますし色々です」
「店の名前は?」
「……考えたこともありませんでした」
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