桃源庵(仮)

鳥居の先

授業が終わり、幼なじみの隆也(たかや)と帰宅してから、昨日撮った写真を見る。

「普通の写真だよなぁ」

制服をかけてジャージに着替えてベッドに横になり、拡大して撮った写真をさらにアップにして見るものの特に変わったところは……あれ？

全体を撮った写真をもう一度見ると、薄らとだが滝の淵部分に白い……人？
拡大するとボヤけるので定かでは無いが、動物の大きさでは無い。

「人が住んでるとか……？」

気になったらとことん気になってしまうので、街の上空地図を出して山を見てみるものの、吊り橋までの道が載っているくらいで、滝の部分は普通に広い川になっている。

「爺ちゃんちょっといい？」

地図を持って祖父母の部屋に行くと、本を見ながら将棋を打っていた祖父が「なんだ？地図なんか持って」と言うので、疑問に思っていることをいくつか聞いてみる。