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学校が終わり、今日は急ぐからと言って家に帰って着替え、リュックを背負って山の入口に急ぐ。
まだ少し日が沈むのが早い事と、山の中なので薄暗くなるのも早いだろうと懐中電灯を持ってきたのは正解だったかもしれない。
怖々吊り橋の真ん中まで行って、前と同じように写真を何枚か撮る。
展望台まで行き、椅子に座って山を眺めているとガサッ──っと音がし、つい身構える。
「びっくりした……」
やはり見えない壁があるようにしか思えず、とりあえず木を触ってみる。
「普通の木だよなぁ。でも何か違う感じがする」
ウロウロしていると「そこの坊や」と声がし、振り向くと木と木の間に白い袴姿の男性が立っていた。
「坊や!?」
「やはり、坊やには見えているのですね」
「あのー、神主さんかなんかですか?後、俺高校生なんで、坊やはやめてもらえると……」
「それは失礼。齋藤……桃真君」
「なんで俺の名前!」
「君からは甘い香りがしましたから。それよりなにかお探しですか?」
お探しも何も、今そこに立ってる人?あなたが誰なのか知りたいです!
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