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「俺、いい。明日買い物あるから」
親父がびっくりしたように俺を見た。そう来るとは思わなかったらしい。
「珍しいな、お前が。何の買い物だ?」
「ん…」
実は静流の誕生日が5月5日と聞いてしまったからだ。
あんまり日にちに余裕が無い。
けど実際のところ、何をプレゼントしたらいいのか、皆目見当も付かないんだけれど。
「父ちゃん」
「なんだ?」
炊飯器を開け、ご飯を盛りつけている親父を見る。
「女の子って、何をもらったら嬉しいんだ?」
ガシャンっ と、親父の手から俺の茶碗が落ちた。
あ、やばい、つい言っちゃった。親父が固まってる…
「省吾」
「…何だよ」
「父ちゃん、泣いてもいいか…?」
なんだよそれ!!!
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