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「もうそのくらいでいいだろ、大輝、省吾」
それまで黙っていた雅之が、俺らふたりを見てそう言った。
雅之…怒ってる?いつも穏やかな雅之から、にこやかな表情が消えてた。
「それ以上モメるんなら、俺が二人まとめて相手してやろうか?」
…いえ、結構です。
確か空手の有段者の雅之。
いつも静かで優しい雅之は、本当は俺たち同様、静流が大好きなはずで…
俺たちと違い表面に出さない分、いつも俺は雅之には何か負けてると思ってしまっていた。
今だって静流を泣かせた俺らをすぐ殴ったりしないで、とりあえず様子を見てたりする。こんな余裕は俺にも大輝にも無い。
負けてるよな…俺。
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