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帰り道は、また静流と一緒だった。
静流はニコニコとして、みんなからもらった誕生日のプレゼントが入った大きな袋を両手で抱えていた。
俺は角を曲がって、大輝の姿が見えなくなるのを確認してから静流の大荷物を持ってやった。
「ありがとう省吾」
笑う静流。
やっぱり静流は笑顔が一番可愛い。
もう泣かせたくないな。絶対、笑顔がいい。
「静流、あの指輪だけど」
「ん?」
「無理に使わなくていいんだからな。サイズも合ってないし…そもそも俺、イヤリングしか買ってないつもりだし」
「でも、すごく可愛いよ?美咲ちゃんがサイズは簡単に直せるって言ってたし。まだ似合わないけど、もうちょっと大人になったら直して使うよ?」
「いや、だから」
何か、俺がいやなんだよ。そんなサイズの合わない指輪なんかあげちまって。ずっと激しく自己嫌悪?だっけ、それが続いてるのに。
「その時は俺がちゃんとしたヤツあげるから。それは使わないでって…!」
…あれ?その時って…どんな時だ?
「……」
静流、返事しない。なんか、きょとんとしてる。
俺も何だか黙り込んでしまった。その時って…
どの時だ?
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