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「わかった」
しばらく黙って歩いていたけど、静流の家と俺の家との別れ道近くまで来たら、やっと静流が口を開いた。
「使わないでしまっておく。それでいい?」
「…うん」
なんだか、静流の表情が読めない。怒ってるみたいな…でも、ちょっと口元が緩んでるみたいな。
「省吾、ここでいいよ」
荷物を受け取ろうと静流が両手を差し出す。でも。
「近くまで送ってく。これ、結構重いから」
俺は静流の返事も聞かずに歩き出す。ただ俺、静流んち知らないんだけど。
静流は、そんな俺の後を黙って付いて来た。せめて横に並んで行く先を教えて欲しいんだけどな。
『その時って…いつの事なんだろうな…』
今は、全然見当もつかないんだけど…
でも、絶対このままにしたくない。こんな中途半端な気持ちのままは嫌だ。
いつかきっと…
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