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初めて来ちゃった、省吾のお家。
平屋の小さい一戸建て。
でも、ガレージがすごく大きくて立派だ。庭は全然ないけど。
大ちゃんが省吾の家を知ってるからって、いつも登校の時待ち合わせる場所で集合にした。
あずちゃんや美咲ちゃんはちゃんと時間通り。まーちゃんとタキちゃんもちゃんと来た。大ちゃんが少し遅れるのはいつもの事だし。
「省吾んちな、かーちゃんいないって言ってたから」
歩きながら大ちゃんがそれだけ教えてくれた。
考えてみたら私たち、省吾の事を何も知らない。
私たちが知ってるのは、いつも少し控えめで、誰にでも優しい省吾だけ。
「お父さん、いるかなぁ」
あずちゃんてばこればっかりだ。夕方になれば帰ってくると聞いていたはずだけど。
「しょーごー!おーい!」
一応呼び鈴を押しながら、大ちゃんが開いてたドアを覗き込む。
「おう」
省吾はすぐに出てきた。黒いジャージの上下に着替えてる。なんか外で見る省吾より、ちょっと大人っぽく見えるかな。
「みんなあがってくれ」
私は初めて入る省吾の家に、かなり緊張しながら靴を脱いだ。
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