出逢い

6/21
前へ
/104ページ
次へ
   二人と別れ、俺は自分の家へと向かった。    親父はもう仕事に出かけた頃かな。長距離のトラック運転手だから、いつも出る時間がまちまちだ。  うちはもうずっと父子家庭だ。俺が親父に引き取られた5つの時から…  鍵を開け、中に入るとひとり分の食事がテーブルの上に用意してあるのが見えた。    親父、しなくていいって言ってるのにな。  俺はもう中学生なんだから、自分のご飯くらいちゃんと自分で用意出来るんだよ。  そんな時間があったらもっと身体を休めて欲しい。親父はいつも大変な仕事してるんだから。  親父を見るたび、俺はいつも早く大人になりたいと思っていた。  早く大人になって、自分で自分を養えるようになりたいと思っていた。    大好きな親父に迷惑を掛けたくないと、いつもそればかりを思っていた。    
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加