君の愛は難しい

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4月。春。今日は高校の入学式。家が近いわけでも親の母校というわけでもなく、親や教師に促されるまま入った自称進学校である。もともと流されやすい性格ではあったが、まさか学校選びまで流されるとは。何に対しても無関心な自分が悪いのだけれど。 _入学式は暇だ。校長の長話とか名前も知らない同級生の親の泣き声とか、そういうのにはうんざりしている。特にやりたいこともないのに高校になんて入ってよかったのだろうか。進学校というだけあって、周りは勉強熱心ないい子ちゃんばかりなのに生半可な気持ちで入ってしまって少し申し訳なくなった頃、自分の名前が呼ばれる番が近づいていることに気づいた。どんな坊ちゃんがいるのかとバレないように周りを見渡すと、「学ランを着た女」がいた。いや、正確には「綺麗な男」か。俺は顔がいいやつなんかに1ミクロンたりとも興味はない。僻みが入っているのは認めるし、見た目で人を判断するのはよくないと分かってるけど、俺が出会ってきた美人は皆欲にまみれたクソだったから仕方ない。これからもこの考えが変わることはない。と思ってる
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