君の愛は難しい

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眠い。眠い。僕は今、とてつもない眠気に襲われている。昨日は遅くまで勉強をしていたからだろうか、それとも…。眠い目を擦りながら時計を見る。時刻は午前5時49分。いつもは6時半に起きるのだから眠いわけだ。それにしても早く起きてしまった。 「二度寝でもしようか」 そう思ったけど、もう目がぱっちり開いてしまっていた。ぱっちりとした目は僕の美点だと兄ちゃんは言っていたけど、実際はどうだろう。兄ちゃんは僕のことを「かわいい」と言うけど、かわいいは女の子に言うものでしょ?なんで男の僕にそんなこと言うんだろう。そんなくだらないことを考えていたら時計は6時を指していた。カーテンを開けて、朝日を取り込む。今日は入学式。新入生代表として挨拶することになったのは、人見知りな僕としては大変不服である。正直休んでやろうかと思っているけれど、入学早々主席が欠席なんてしたら学校も両親も大騒ぎだろう。せっかく昨日入学祝いのごちそうを作ってくれた母さんをがっかりさせるなんてできない。重い足をなんとか動かして僕はトーストの焼ける匂いがするダイニングへと向かった。
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