君の手に剃刀が

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ある日、君はいつになく疲れた様子だった。 もともと色白の肌だけど、目の下にうっすらができていた。 体調が悪いのかい? ぼくが尋ねると、君はようやく打ち明けてくれた。 夜眠れない、って。 何か悩みでもあるのかな? それとも、徹夜で勉強でもしているの? 君は、首を横に振った。 睡眠時間はちゃんと取るようにしているのに、ぐっすり眠れないんだ。 正直、重い病気か何かではないと知って、ほっとしたよ。 何か力になれることはあるかい?と言うと、君はこう答えた。 もしよかったら、アパルトマンに来て、夜一緒に過ごして欲しい。 なぜ熟睡できないのか、一晩見届けてほしい、と。 男同士だし、女の子の部屋に行くのではないから・・・
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