第三章 『藍にひそむ』

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 エンジンも切られ、呼吸の音さえ聞こえるくらいの静けさ。  グッと言葉に詰まってしまう。  だがある意味これは……きちんと謝れるチャンスなのだろうか。  ドッドッと、何かに心臓を叩かれるような痛みを感じながらあさなを見ると、目が合った。 「……お姉ちゃんが、ごめん」 「いや……俺の方こそ」  しっかり視線が合って、カァァッと全身が熱を帯びる。
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