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愛しくて堪らない
何度、夏目と繋がっただろう。
その度に互いに達した俺達は、ぐったりとして泥の様に眠りについた。
朝、いや、もう昼に近かったか。
気が付くと夏目は、いつの間にかベッドから出ていた様でベッドの側に戻った時にうっすらと目が覚める。
「ん?夏目?起きてた?」
半分寝ぼけている俺の問いかけには応えずに、次の瞬間、夏目はいきなり掛け布団を剥いだ。
「何すんだよ!えっち!」
布団を剥がされ、うつらとしていた頭が一気に覚醒する。
素っ裸で寝ていた俺は夏目に背を向け身体を丸めると下半身、俺の片足を上げて何も言わずに見入っている。
やだ、何だよ夏目、恥ずかしい格好させるなよ。
「久喜、何故お前のフクロには毛が生えていないんだ」
マジマジと俺のキンタマを見て言うと、今度は俺の身体を仰向けに転がして、
「それに… なんでこんなに綺麗に生えているんだ」
俺の『V』の部分を真剣な目で見る。
脱毛ちょっと痛かったり、その後数日はチクチクと不快だったり、面倒臭かったりしたけど、そんな事も頑張って耐えたのは、そう、この瞬間の為だと言っても過言ではない。
「俺、だから」
フフン、と笑って、俺自身分からない返答にも動じずに夏目の顔が真剣だった。あまりに夏目が見入るもんだから直ぐに勃ってしまう。
「お前がそんなに見るから、こんなんなっちゃったじゃん、責任とって」
そう言っても夏目は、俺の立派な下半身を眉を顰めて見続けている。
「久喜、何かしてるのか?」
えっ? 脱毛、ナチュラルコースで施術してるのに、夏目にバレちゃうのかよ、と思って俺も眉を顰めた。
「ん?うーん… 」
夏目とひとつになれたのに、繋がったのに、嘘を吐くのが隠し事をするのが何だか嫌で、そんな言い方になって、段々と立派なモノも萎んできた。
「お前は、こんなところもハンサムなんだな」
真面目な顔で言われて何とも言葉が出ない。
夏目と付き合い始めて二ヶ月余り、いやもう、三ヶ月過ぎたか?
どんだけ俺が我慢してきたと思う?
夏目を抱きたくて抱きたくて、どんだけ我慢してたと思う?
我慢はちゃんと、実を結んでくれるんだな、そう思って、
夏目の頬を両手で包んで
愛しくてたまらないその唇に、唇を重ねた。
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※次頁から夏目の回想と、ほんの少し、二人の続きになります。
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