夏目の回想

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ねぇ久喜。 どうして俺を好きになってくれたんだ。 公園に向かう電車の中でそればかりを思った。 あんなにモテる久喜が、こんなつまらない俺なんかをどうして好きになってくれたんだろう、今からでも、また好きになって貰えるだろうかと未練がましくもそんな事を思いながら電車に揺られた。 思った以上に外は寒くて凍えて待っていた俺に、まだ優しい言葉を掛けてくれた久喜が愛おしい。 とりあえずは、とりあえずはきちんと謝らなくてはと思い、言い訳になるだろうけど必死に説明した。 人に自分の気持ちを分かって貰う術を知らない俺は、上手く話せなくてただただ喋り続けて、途中でどうして良いか分からなくなって、あろう事か久喜を責め始めている自分に気付く。 それでも久喜は黙って聞いていてくれた。 「…… だから、だから久喜、俺から離れていかないでくれ… 」 思っている気持ちをそのまま言葉にした。 抱き締められて、俺はどうにも感情を抑えられなくて号泣した。 「今からお前ん家、行っていい?」 久喜の問いが嬉しくて嬉しくて、失望されてもがっかりされてもそれでもいい、俺は久喜に抱かれたい、そう思って頷いた。 ねぇ久喜。 お前がどんなに俺を愛してくれても、絶対に俺の方がお前を愛している。 漸く繋がれる時なのに、お前に意地悪をされて恥ずかしくも先に射精()してしまった俺の精液の処理をしてくれて好きで堪らない自分に悶えた。 だから、俺もお前の立派過ぎるモノを咥えて、満足して貰いたくて、そればかりを思って… 口で扱いた。 激しく強く、久喜のイメージから勝手にそんな風に抱かれるのかと思っていた。優しかった、もの凄く優しく俺に這入ってきた。 ねぇ久喜。 俺はお前に抱かれて途轍もなく、幸せだ。
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