友達以上恋人未満

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久し振りのキス。上顎の歯列をなぞると弱かったな、と思い出して舌を這わすとビクビクと身体が動いた。 「ん、ふ、ん… 」夏目の声が漏れて俺はガンガンに勃っちまう。 「夏目、俺のほら、こんなだぜ」 夏目の股間に俺の元気なイチモツを押し当てると、真っ赤な顔をして俯いた。 「お、俺がヤらせなかったからか?」 まだ浮気したと思い込んでるな、どうしよう。脱毛の事言うしかないか… でも言いたくねぇ。 そうだ! 「ち、違う、四つん這いの話は肛門科に行った時の話。アイツも今度行くみたいで、どうなのか訊いてきたんだよ」 ふぅ〜、やれやれだぜ。 「肛門科? 久喜、痔なのか?」 あ、そうなっちまうな、でも脱毛ばれるよりかはいいか、と思って頷く。 「昔の話な、今は何ともない」 「そうか… 」 夏目の視線がケツの方に行ったのが分かって少し恥ずかしかった。 「な、だからお前の勘違いだからな、明後日、お前ん家行っていいだろ?」 この機会を絶対に逃すわけにはいかない、夏目の頬を撫でて微笑む。 「久喜は… 受けなんだろう?」 俯いたまま夏目が訊いた。 違う!というか、どうすればいい?そもそも夏目は受けでいいのか? 訊くか?今? そんな事を考えていたら、そうなのだと思われたようで 「俺、久喜に挿れるって想像出来ない」 目茶苦茶、真面目な顔で言う。こんな事にまでこんなに真面目で愛おしい。 てか、ちょっと待て!自分が挿れられるのは想像できるのかっ!興奮を抑えて、そっと抱き寄せ 「安心しろ、俺が挿れるよ」 そう囁いたけど、この会話どうなの?と疑念が残る。 それでもヤること前提の会話で俺は感慨深い。このニヶ月余りの悶々とした気持ちとももう、おさらばだ。 明後日か、どうしよう俺。二年半近く夏目を想って過ごして来た日々が報われる。女とアナルも経験しておいて良かった、ローション忘れないようにしないとな、そんな事を考えながら夏目を抱き締める腕の力は強くなる。 「久喜、午後の授業あるだろう?俺はちょっと行きたい所があるから帰るけど」 抱き寄せられたまま夏目が顔を横に向けて言う。 行きたい所? 何処だよって訝しく思ったけど、訊いたら嫌がられるかも知れないと思って我慢して訊かない。その我慢が抱き寄せる力を強くさせた。 「あ、あの、公務員試験の為の講座があるから、そこに行きたいんだ」 俺を察して夏目から言ってくれた。 嬉しい、そうか、なら仕方ない。 「帰りは何時?迎えに行くよ」 にっこりと笑って夏目を身体から離し、また頬を両手で包んだ。 「行ってみないと分からないから、連絡する」 夏目は潤んだ瞳で、頬を包んだ俺の両手を上から包み重ねた。
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