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俺は考えていたことがある。 他人に能力を与えることができないのか?と。 スキルが発動しない人は一定数いて、50人に1人くらいらしい。 そんな人達に能力を与えて俺の部下にできないだろうか。 能力を持ち逃げされたら大損だが、それは俺の見る目が無かったと諦めよう。 どこかで見つけたら、能力を取り返したらいいんだし。 与えれるなら取り返すのも可能だろ。   「レイちゃん」 「はい」 「力が欲しいか?」 「お金が欲しいです」 「いや、俺も金は欲しいが金はない」 「力って?」 「俺はな」 「はい」 「99個の能力をステータスに自由に設定できるのだよ」 「は? えっと……えええ!?」 「欲しい能力があるなら、5個くらいは貸すけど」 「マジっすか?」 「マジで」 「師匠、ほとんど神様ですやん」 「レイちゃん、関西弁になってるで」 「あ、大阪人でしたから」 「で、どないする?」 「あの、料金は」 「弟子から金なんか取らんよ」 「あっ、もしかして私の身体を」 「要らんわ」 「酷いです、師匠」 「酷いことなんかしてない」 「でも、どうやって能力をくれるんですか? 痛いのは嫌ですけど」 「手を出して」 「手を?」 「レイちゃんの手に俺が能力を書くと」 「能力が付与される?」 「そう」 「凄いです!」 「うん」 やったことないけどな。たぶん出来ると思うけど。出来なかったら、レイちゃんの体質が俺と合ってない事にしとこう。 「私が欲しい能力は!」 「能力は」 「美肌! 絶世の美女! Dカップ! くびれた腰! セクシーなヒップ! です」 「なるほど」 それ、能力じゃなくない? 「お願いいたします」 「うん」 もうね、適当に能力付与しちゃおうか。 「ちょっと目を閉じて」 「え?」 「じっと見られると書きにくい」 「あ、分かりました」 目を閉じるレイちゃん。 まずは俺に能力付与能力を追加するか。 能力付与能力は追加できた。 良かったよ。 レイちゃんの手に、筆で……筆ペンみたいなインクが勝手に出てくる筆があるのだ。 レイちゃんの手に筆を。 「ひゃっ、こそばいです」 「我慢して」 「うー、我慢します」 俺には逆らえない、レベル99のパンチ、レベル99の防御、料理上手、Dカップの胸と書いた。 書いた文字が消えた。 文字が消えたと言うことは、レイちゃんに能力が付与されたようだな。 おお、レイちゃんの胸がむくむくと。 美肌、くびれた腰、セクシーなヒップは自分で頑張るんだな。 「目、開けていいぞ」 「はい。お? おおおっ!!」 どうやら、Dカップの胸が目に入ったようだ。 「師匠! ありがとうございます!」 「まあ、うん」 「揉みます?」 「いや、まあ、そのうちな」 「えー」 えー、じゃなくて。 「それより、ステータスを確認しろよ」 「あ、はい。えっと……あれ? 師匠」 「どうした」 「能力付与者には逆らえない、レベル99のパンチ、レベル99の防御、料理上手、Dカップの胸となってますが」 「そう書いたからな」 「私のお願いと違います」 「美肌、くびれた腰、セクシーなヒップは自分で何とかなるだろ」 「絶世の美女は?」 「レイちゃんの顔、俺は好きだぞ」 「へ? ほ、ほ、本当でふか?」 「うん」 「でへへ〜、だったらいいです」 「それとな」 「え?」 俺の計画を話した。 「スキルを持ってない人に能力を付与するんですか?」 「スキルを持ってないと、スキル鑑定士にスキルがバレないだろ」 「あ、本当だ。流石は師匠、頭が良いです」 「まあな」 「何人くらい?」 「そうだな。組織的に10人は欲しいな」 「なら、あと8人ですね」 「そうだな」 俺の設定できる能力は、まだ80は残っている。8人に5個の能力を付与しても、40は残るからな。余裕だ。 「レベル99の能力を5個も持っている人が10人もいる組織。ほとんど無敵ですね」 「そうかもな」 俺の能力は50個以上だけどな。 まあ、与える能力のうち1つは、俺に逆らえないだから実質は4つの能力だけど。 まあ、必要に応じて足りない能力は追加してもいいかもな。 それが俺のためにもなると思うし。
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