第一章 挙式予定のハワイまできて式目前で彼と別れました

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「そうですね」 促されてナイフとフォークを取った。 ベリーがたっぷりのったパンケーキは美味しそうだ。 「和家さんはお仕事でいらしてるんですか?」 「仕事と言えば仕事だな」 悪戯っぽく彼は言うが、それで信じろだなんて難しい。 「こちらにはいつまで滞在予定なんですか?」 「特に決めてない」 「お仕事はなにをしてらっしゃるんですか?」 「んー、内緒」 とか言われて安心できるわけがない。 「あのー、……カタギの方、……ですよね?」 仕事は謎、それでいてきっとかなりのお金持ち。 まともな職業な人間だとは思えない。 「誓って、やましい仕事はしていない。 人よりちょーっと、稼いでいるだけだ」 なんでもない顔をして和家さんは言うが、……ちょーっと、ね。 ちょっとでリムジンを乗り回し、私を高級ホテルのスイートに連泊させられるとは思えない。 「わかりました、これ以上聞きません」 これ以上、詮索するのはやめよう。 この人を頼って、一時の夢をみる。 それでいい。 「うん、そうしてくれると嬉しい」 これでこの話はおしまい。 あとは美味しいパンケーキを堪能した。 朝食のあとはショッピングセンターへ連れていかれた。 「あのー」 「李依の服を買うって言っただろ?」
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