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2.菊花開 (きくはなひらく)
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わたし:「菊花開(きくはなひらく)」とはキクの花が咲き始めるという意味です。
なぎさ:そうなんだ! 一つ賢くなったよ。
わたし:ダリアもマリーゴールドもキク科です。
なぎさ:そうなんだ! 他人とは思えなかった。じゃあ、次は菊人形とか?
わたし:菊まつりはだいたい11月みたい。
すみだ北斎美術館に行って来ました。3階と4階の一部が企画展、4階の残りが常設展という変わったフロア構成になっています。
なぎさ:2階は見るなの座敷?
うわっ! ホントに見ちゃいけない座敷だった!
わたし:常設展にある北斎と娘のお栄(葛飾応為)の実物大人形だよ。弟子の絵を3D化しました。お栄も一流の絵師で、「吉原格子先之図」は幻想的な傑作です。写真が全部黄色っぽいのは照明が暗めだからです。
北斎漫画を近くで見れたのがよかったし、企画展では複製を手に取れたのが収穫だった。複製と言ってもサイズも質感もオリジナルと変わらないから身近な娯楽って感じがよくわかります。
なぎさ:これは踊りのインストラクションなのかな。動作の描写がうまいなぁ。
わたし:これは亀と葉っぱをダブルイメージにしたような。やっぱり動きが生き生きしてるね。
なぎさ:北斎が今生きてたら、アニメータになってたんじゃないか。
わたし:この二人の子どもの絵は春朗と称した若い頃のものだけど、構図、描写ともに腕の冴えを感じるね。
なぎさ:なんかお札持ってるね。巳巳待ち? 已巳待ち?
わたし:惜しい。己巳(つちのとみ)の日に行われる巳待(みまち)です。この日は弁財天の祭りで、御殿女中が、巳待の祈祷きとうの札をいただいているところを描いています。宗理と称していた時期に描かれ、巳年の寛政9年(1797年)の発行と考えられます。
なぎさ:細かいところを見れば見るほどうまいなぁ。今なら個人の特徴として描く目や口が類型的だから、髪型や着物に目が行きやすいんだよね。
わたし:この作品は文化初年(1804-07)頃の「賀奈川沖本杢之図(神奈川沖本牧の図)」で、題材としてもデザインとしても、天保2年(1831)頃の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の先駆けでしょう。
なぎさ:見慣れ過ぎてて「すばらしいですね!」なんてコメントできないけど。
わたし:Wikiによると1999年には、アメリカ合衆国の雑誌である『ライフ』の企画「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」で、日本人として唯一86位にランクインした、そうです。
なぎさ:ふーん。アメリカ人はランキング好きだよね。
感動に序列をつける釣瓶落とし
わたし:北斎以外の画家・アーティストは5位ダヴィンチ、36位ミケランジェロ、78位ピカソ、84位ラファエロ、90位ディズニーかな。見落としがあるかもだけど。
なぎさ:はぁ? 前世紀末から炎上商法ってあったんだね。
わたし:まあまあ、音楽家はもっとひどいから。バッハもモーツァルトもヴァーグナーもランク外。ルイ・アームストロングは入ってるのに。
なぎさ:ルイ・アームストロングも喜ばないでしょ。
隣家より聞こえ来るブルース肌寒し
わたし:怒ると調子いいみたいね。
なぎさ:ふん。もちろんドビュッシーも入ってないんでしょうね。交響詩「海」のスコアの初版はこういうのだけど。
星月夜崩れ落ちゆく波頭
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