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言うというのは他でもない友達の件についてだ。
みる香はバッド君に友達と認識していることを告げる決意を固める。
「どうしたの? みる香ちゃん」
じっと見つめているだけのみる香を不思議に思ったのかバッド君は何かあったのかと尋ねてくる。
しかしそこで二人以外のクラスメイトが教室内に団体で入ってきた。
教室は一気に騒がしくなり、みる香とバッド君の周りはクラスメイト達の声で埋め尽くされる。
『バッド君』
みる香は彼に目線を向けながらテレパシーを送る。
するとバッド君はすぐにみる香の方を見てテレパシーを送り返してきた。
『うん、どうしたの?』
『今日学校が終わったら、一緒に帰ろう』
放課後教室に残って話すのも悪くはないのだが、やはり静まり返った教室で改まった話をするのは勇気が必要だ。
それなら帰りながら話をする方がいいのではないか、そう考えたのだ。
『うん、いいよ帰ろうか。じゃあまたあとでね』
バッド君はすぐに了承の言葉を返すとそのまま自席へと戻っていく。特に何の話かは聞かれなかった。
みる香はそんな彼の背中を見ながら放課後までの心の準備を始めていた。
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