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「それでどうしたの? 何か友達に関する悩みができた?」
学校が終わると今日から早速部活の檸檬とバイバイして、バッド君と学校を出た。
途中彼は色んな生徒から声を掛けられていたが、案外スムーズに校外へ出ることが出来た。
「あ、結界張ってるから周りは気にしなくて大丈夫だよ」
バッド君はそんな気の利いた台詞を言葉にしてみる香の反応を待つ。しかしここでみる香は気になることができた。
バッド君との分かれ道までまだ時間はある。みる香は先に気になったことを尋ねてみる事にした。
「ちょっと気になってたんだけど、天使って結界とか色々能力があるよね? その力って幾つぐらい持ってるの? あ、ごめんただの好奇心」
そう素直に疑問を口にするとバッド君は爽やかな顔のまま、ああそれはと口を開き始める。
「天使によるかなあ、俺が使えて桃田が使えない能力もあるし。逆もあるから絶対にこの数の能力を使えるとか、決まりはないんだ」
「そうなんだ……バッド君て結構持ってると思ったけどまだまだ隠された能力があるわけだよね?」
「うん、そうだね」
「じゃあバッド君にしか使えない能力とかは? あったりする?」
「あはは、俺にしか使えない能力は流石にないかなあ。でも珍しい能力で、限られた天使にしか使えない能力は存在するよ」
「へえーそうなんだ。やっぱ天使って次元が違うなあ」
みる香は感心した様子でバッド君の言葉を聞いていると彼は笑いながらこんなことを言ってくる。
「みる香ちゃん、俺の能力が全部気になる?」
そう言って目を合わせてくるバッド君の黄色の瞳はみる香の好奇心を駆り立ててくる。
「……いや、絶対教えてくれないでしょ」
みる香はそう言ってバッド君から視線を外すと彼は「あれ?」と言いながら一歩先を歩き始めたみる香の横に並んでくる。
現実的に考えて、バッド君が昇格に必要のない情報までみる香に提供してくれるとは思えなかった。あくまでも二人の関係は友達ではなく、契約者なのだ。
そう思いながらみる香は一度足を止め、隣を歩くバッド君を見上げる。
みる香が立ち止まったことでバッド君も同じように足を止めると不思議そうにこちらに視線を落とした。
「あのさ、バッド君」
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