第二十一話『夏休みの約束』

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 翌日を迎え、早朝に目覚めたみる香は顔を洗い、歯ブラシをして支度を始める。  今日は動物園だから服装はラフな格好にしようと考えながら朝食を摂る。  服装は白の無地ティシャツからキナリのシアーシャツを羽織り、ストレートジーンズを合わせる格好で決定した。  髪型は二つに結び、日焼け防止に黒色のキャップを被る。靴は歩きやすいようにスニーカースタイルだ。  支度を終えたみる香は時計を確認すると約束までは時間があった。  のんびり向かうのも悪くないだろうとそのまま靴を履き、自宅を出ようとすると突如頭の中に声が聞こえてくる。バッド君のテレパシーだ。 『おはよ〜みる香ちゃん、今日は自宅まで迎えに行くから家で待っててね』 『え、それはいいけど……』 『じゃあ着いたらまた連絡するよ。レインでね』  そんなテレパシーを送り残してバッド君からの通信は終了した。  みる香は不思議に思う。待ち合わせ場所に行く方がお互いにとって楽なのではないかと。 (バッド君の考えはわからない事だらけだし気にしても仕方ないか……)  そう考え大人しく自宅で待機することにした。 「じゃあ早速行こうか」  到着したというレインの通知が届き、玄関を開けると爽やかな笑顔でバッド君が門の前に立っている。  みる香は玄関の鍵を閉めながら「おはよう」と挨拶をすると彼の方からもおはようという挨拶が返ってきた。 「今日も暑いねえ」  バッド君はそんな言葉を口にしながら足を動かす。  みる香も彼に並びながら「アイス持ってきたよ」とバッド君の目の前にアイスを差し出した。気温の暑さを考えて家の冷蔵庫から持ち出していた。
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