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夏休みに一番会う機会が多かったのは檸檬だ。みる香はその事を嬉しそうに話した。
そして檸檬や星蘭子、莉唯との四人でホームパーティーをした事や他にもみる香に起こった出来事は全て話してみせた。バッド君も嬉しそうにみる香の話を聞いてくれている。こんなに細やかに話ができるのは相手が協力者であるバッド君だからだろう。
そして一通り話し終えると海の話をし忘れていたことに気がつき、「あと海も行ったんだよ〜檸檬ちゃんと!」と言葉を付け足した。
するとバッド君から爽やかな笑みが消え、血相を変えてみる香に近づいてくる。結界があるので近距離は避けることができていた。
「みる香ちゃん、海って……女の子二人で行ったの!?」
「うん? そうだよ、何?」
「いや……変な男に声かけられなかった……? 今更だけど今物騒だから」
どうやらバッド君はみる香を心配してくれたらしい。みる香は笑いながら大丈夫だと声を返す。海に行った時は人も多く、檸檬と迷っていたところに声をかけてくる男は確かにいた。しかしそれだけだ。連絡先も聞かれることはなかった。檸檬だけは聞かれていたが。
「そっか……よかっ…いや、良くないな。今度からそういうレジャーは女の子二人で行っちゃ駄目だよ」
「ええ〜気にしすぎじゃない?」
みる香はため息をつきながらバッド君を不審な目で見た。いささか過保護すぎではないだろうか。
しかしバッド君はそんなみる香の言葉に首を振って珍しく深刻な顔を見せてくる。
「そこに限った話じゃないけど、海とかプールってほら、露出も凄いでしょ? 男は集まってくるんだよ。ナンパスポットだから誰か他にも人を呼んだ方がいいよ」
「え〜、バッド君だって人のこと言えないと思うけど……」
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