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「森村ちゃん! おはよ〜!!!」
教室に入るなり、檸檬がみる香に抱きついてきた。そうしてクラス中の視線がみる香に向けられる。
ごくりと唾を飲み込んだみる香はそのままの足で教室へと踏み入れた。すると突然バッド君の声が教室中に響き渡る。
「おはよう皆。今日も頑張ろうね〜」
途端にクラスメイト達が焦ったように言葉を発し始めた。
「そっそうだな!」
「あ、あと一日だねえ〜」
「いい思い出つ、作ろう〜」
どことなくぎこちない空気に違和感を感じたみる香は後ろにいるバッド君を見上げる。
だが、彼はみる香に優しく笑みを向けるだけで何もおかしなことはしていなかった。
『何かしたの?』
気になったみる香は彼にテレパシーでそう送ってみたが、彼はみる香を優しく見つめたままこう言うだけだ。
「ナイショ♡」
と。
第二十七話『制裁』終
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