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記憶が消える前にやっておきたい事を考えた。
メモに書くことはしなかった。みる香の行動を把握できるバッド君に万が一知られてしまえば困るからだ。ゆえに頭の中だけで整理することにしていた。
記憶を消すとは言っても、きっと全ての記憶を消されることはないのだと推測している。
人間に危害を加えるつもりのない天使が、生活に支障をきたすほどの事をするとは思えなかったからだ。
おそらく消されてしまうのは今の契約と、天使に関する記憶だろう。
そこまで考えるとバッド君と桃田のに関する記憶は、思い出ごと消されるのだと考えられる。
反対に檸檬や颯良々達、人間に関する記憶を消されることはないのだろう。
だから、みる香が悔いのないようにやっておきたいことはバッド君や桃田と少しでも多くの思い出を残すことだ。
残すと言ってもみる香の記憶に残らないのは承知している。
だがそれでも、残したい。自分一人だけが忘れるならそれでいい。
何より思い出以前に大好きな二人と少しでも多くの時間を過ごしたいとそう思った。
それに、バッド君や桃田がみる香との思い出を時々にでも思い出してくれればそれはとても嬉しいことだ。
具体的にやっておきたいことを頭の中で整理したみる香は早速休み時間から行動を開始し、バッド君と桃田に積極的に話しかけるのであった。
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