第四十三話『覚悟』

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 檸檬がやってきた後、三人は映画を観てから昼食を食べ、再び映画をみて今度はデザートを食べる。  最後にもう一本映画を見終えると三人でラーメン屋に入り、とんこつラーメンを平らげた。とても満足な一日である。 「春休みは残りみんな何するの?」  みる香は帰りの道中、横を歩く檸檬と颯良々に尋ねる。  檸檬はデートに行ったり部活に行ったりそれの繰り返しだと話していた。  デートの話をする檸檬はどことなく嬉しそうだ。  まだ初々しい付き合いたてのカップルなのだからそれもそうだろう。この光景はいつ見ても微笑ましく素敵な事だとみる香は思う。  颯良々は部活と趣味のロッククライミングで休みを満喫するつもりらしい。運動が好きな彼女らしかった。  二人の話を聞き終えると「森村ちゃんは?」と檸檬に聞かれる。  そこでみる香は気付かされた。自分は、今日以外のことで春休みのことを何一つ計画してなかったのだと。 「予定がないのもまた楽しみの一つだよ、そういうのもいいよね〜」  颯良々はそう言って無計画なみる香にフォローの言葉をかけてくれる。優しい友達だ。みる香の周りには今、優しくて一緒にいると楽しい大切な友達ばかりがいる。  去年、クラスメイトや他クラスの子とトラブルになったこともあったが、なぜか上手く解決し、今ではとても平和だった。 (何でトラブルになったかよく覚えてないんだよな)  嫌なことなので忘れたのだろう。そう思い特に覚えていないことに悩む事はなかった。楽しいことだけ覚えていればいいのだ。  みる香は檸檬と颯良々に手を振ってから解散するとそのまま気分良く帰路に着いた。
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